スペインの知将がサウジ戦を叱る。「日本は中盤の距離感が悪すぎた」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 エチャリは率直に苦言を呈している。プレスが失敗したことで、日本はすべてが後手に回った。距離感のズレでダメージが蓄積した。

「サウジはプレスの強度は低く、リトリートし、落ち着いた守備を見せている。7番(サルマン・アルファラジ)、8番(ヤヒア・アルシェハリ)、18番(ナワフ・アルアビド)など左利きの選手が多く、攻撃では日本のプレスを外しながら、『PASILLO INTERIOR』でのプレーで日本のセンターバックにも圧力を掛けた。バックラインに対してのダイアゴナルランも有効。インテンシティ(強度)に欠ける(PASILLO INTERIORまでカバーできない)日本のセンターバック(吉田麻也、昌子源)を消耗させた。

 しかし後半の立ち上がり、ゴールに迫ったのは日本だった。

 柴崎が、質の高いプレースキックでチャンスを作り出した。酒井宏樹、岡崎慎司らが立て続けに好機を得る。また、左サイドを攻め上がった長友佑都からのクロスを原口が合わせた決定機もあった。

 日本は巻き返したかに見えたが、攻守におけるバランスの悪さは変わらなかった。これによって、次第に流れを失う。GKのロングキックを自陣に通されてしまい、孤立した長友が1対1を強いられ、決定的なシュートを打たれる場面もあった。これは川島永嗣のビッグセーブで防いだものの、セットプレーからのカウンターを未然に防げなかった点も、戦術的な混乱の証左だろう」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る