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アメリカでも主力級。川澄奈穂美と
宇津木瑠美の様子を見に行ってきた (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

3点を決めたラピノーと喜ぶ川澄奈穂美。ラストパス、クロスの正確性が高く評価されている3点を決めたラピノーと喜ぶ川澄奈穂美。ラストパス、クロスの正確性が高く評価されている「自分は使われてナンボだと思っているんです」という川澄の言葉を証明しているのが、ピッチでの"声"だ。川澄がボールを持って前を向いた瞬間、さまざまなところから「ナホ!」「ナホ!!」とボールを欲しがる声が溢れる。川澄が7アシスト(リーグトップ)を決めているのもこうしたラストパス、クロスの精度が高いからに他ならない。もちろん自身のゴールも狙い続けている。この日も、一度はゴールに押し込んだものの、惜しくもオフサイドの判定で幻となったが、ここまで4ゴールを挙げている。シアトルがリーグトップのゴール数を誇っているその要因のひとつに川澄の存在があることは間違いない。

「ホームだと、こういうことをやらかすんですよね」と試合後はまさかの乱打戦に苦笑いの川澄だったが、極論すれば4失点をしても、5ゴール決めれば勝利を掴むことができる。もちろん瞬く間の4失点は課題として残るが、最後は決めるべきエースが、最高のタイミングで決める――サッカーの根本的な楽しさを感じられたのも事実だ。「アメリカでのサッカーはエンターテインメントですから」という宇津木の言葉も素直にうなずける90分だった。

 ここからリーグは代表活動のため、中断期間に入る。そう、なでしこジャパンも参加するアメリカ、ブラジル、オーストラリアと対戦するトーナメント・オブ・ネイションズが開幕するのだ。この日、大活躍したラピノーももちろんアメリカ代表として、宇津木のいるなでしこジャパンと対決することになる。トーナメント・オブ・ネイションズは27日(現地時間)からシアトル、サンディエゴ、ロサンゼルスで開催される。FIFAランク上位国対決は、なでしこジャパンの現在地を現す貴重な大会になるはずだ。

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