ガチンコで強豪メキシコを撃破。W杯に挑むU-17日本代表の完成度 (5ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 確かに選手の間には、多少なりとも目指すサッカーに対する理解度の差はある。だが、言い換えれば、理解度の高い選手がそろったときには(ときに指揮官の予想さえも上回るほどに)質の高いサッカーが実現できるということでもある。と同時に、「同じイメージの選手が多いほど、自分たちのサッカーができる」(平川)のは間違いなく、それができる選手のパイは、少しずつだが、着実に広がりつつある。

 また、現在のU-17世代には、久保、平川のほか、DF瀬古歩夢(セレッソU-18)、MF喜田陽(セレッソU-18)など、J3で"大人のサッカー"を経験している選手も少なくない。平川が「フィジカル的には、(今大会で対戦した)同世代の外国人選手よりJ3のほうが高いと思う。そういう環境でプレーできるのは大きい」と話すように、より高いレベルのサッカーに日常的に触れている選手が増えていることは、今までのU-17代表にはなかった強みだろう。

 世界の列強が待ち受ける本番を目前に控え、選手個々のレベルアップと、チームとして目指すサッカーの構築という、ふたつの作業を並行して進めるU-17日本代表。欲を言えばきりがないが、その強化策はおおむね順調。U-17W杯へ向け、期待が膨らむ状態にあると言っていいのではないだろうか。

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