ガチンコで強豪メキシコを撃破。W杯に挑むU-17日本代表の完成度 (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 例えば、今回招集された15歳のFW斉藤光毅(横浜FCユース)。U-16世代からの抜擢で、いわば"新戦力テスト"に臨んだわけだが、本人曰く、「1、2戦はチャンスがあったのに、得点を決められなかった。パススピードなど、基本的なことが(U-16とは)全然違う」。新潟選抜戦の前半の内容に象徴されるように、今大会での新戦力発掘は満点の成果を挙げたとは言い難い。

 それでも、森山監督は「(同じレベルの選手が)15、16人もそろう国なんてない。(主力と控えのレベル差は)ネガティブなものでも何でもない」と、現状を当たり前のこととして受け止めている。先に挙げた斉藤についても、「精力的に動いて、"血流"をよくしてくれる選手」と候補のひとりであることを強調。また、今大会では招集されていないFW久保建英(FC東京U-18)をはじめ、同じくアジアU-16選手権に出場していた、FW棚橋尭士(横浜F・マリノスユース)、山田寛人(セレッソ大阪U-18)らの名前を挙げ、「(U-17W杯に)出たい気持ちの選手は多い。それぞれがどれだけレベルアップして、最後に僕らが自信を持って選べるか。夏にはクラブユース選手権もあるし、誰が出てくるか、これからが競争」だと語る。

 本番前最後の海外遠征となるチェコ遠征(8月中旬から下旬の予定)には、「プラス1、2名を連れていくかもしれないが、ほぼ本大会のメンバーで行く」(森山監督)予定であり、残り1カ月ほどが選手たちにとっては、最後の勝負ということになる。

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