ガチンコで強豪メキシコを撃破。W杯に挑むU-17日本代表の完成度 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 U-17W杯という未知の世界に足を踏み入れようとしている選手たちにとっても、この世代では世界屈指の実力を持つ難敵に競り勝てたことは、この先につながる大きな自信となったに違いない。昨秋のアジアU-16選手権でも主力としてプレーした、MF平川怜(FC東京U-18)が語る。

「メキシコ相手でも主導権を握ることができた。U-17W杯へ向け、いい試合ができた」

 だが、今後への期待が高まったのがメキシコ戦だったとすれば、反対に少なからず不安が残る結果となったのが、続く新潟選抜戦だった。

 メキシコ戦から先発メンバーを8名入れ替え、招集歴の浅い(このチームでのプレー経験が少ない)選手を中心に臨んだ新潟選抜戦。U-17日本代表は、ボールポゼッションでこそ上回るものの、効果的な攻撃を組み立てられず、なかなか得点が奪えなかった。

 選手一人ひとりのプレーを見ていると、明らかに技術レベルは新潟選抜よりも高く、簡単にボールを失うことはないのだが、それぞれのよさがチームとして機能的につながらない。もどかしい時間が続いた前半、それでもどうにか1点を奪ったものの、PKで1点を返され、1-1でハーフタイムを迎えることとなった。森山監督が語る。

「サッカー理解のレベルが高い選手が数人いて要所を締めると、ひとり、ふたり(招集歴が浅く)チャレンジする選手がいても、それを生かしてもらえる。だが、(主力である)核となる選手がいないと、修正しようとする声がほとんど聞こえてこない。昨日(メキシコ戦)は全員が状況によって『ああしよう、こうしよう』と声を出していたが、今日(新潟選抜戦)は何をすれば効果的か(というイメージを)、味方と共有できない選手が多かった」

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る