心許ないハリルホジッチ采配。イラク戦で「悪い予感」がさらに膨らんだ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Reuters/AFLO

 イラクにアウェーで1-1。その6日前に、そのイラクよりレベルが落ちるシリアに、ホームで1-1の引き分けを演じた日本にとって、これは驚くべき結果ではない。加えて言えば、イラクの勝ち点は試合前4で、6チーム中5位。すでに予選落ちを確定させている中での試合だ。会場もテヘラン(イラン)である。ホームではない。モチベーションでもイラクは日本より大幅に劣っていた。条件的には日本断然優位だったにもかかわらず、結果は1-1。それが妥当なスコアに見えるところに、弱体化した日本を見る気がする。

中盤にW杯最終予選初先発の遠藤航と井手口陽介が加わったイラク戦の日本代表中盤にW杯最終予選初先発の遠藤航と井手口陽介が加わったイラク戦の日本代表 しかし、こうした現状は十分予想することができた。右肩上がりの時代が終焉を告げたことは、遅くとも2014年ブラジルW杯前後に判明していた。低下した選手のレベルをいかに上げるか。それを監督の采配力でいかに食い止めるか。日本代表には、これまでにも増して監督の重要性が問われていた。

 そのタイミングで就任したのがハリルホジッチ。弱体化しつつある日本の救世主になれるか。期待せずにはいられない監督だった。彼にそうした認識があったかどうか定かではないが、これまで、その監督采配に因って勝ったという試合に遭遇したことはない。弱体化した選手と一緒になって、もがき苦しんでいるという印象だ。

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