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心許ないハリルホジッチ采配。
イラク戦で「悪い予感」がさらに膨らんだ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Reuters/AFLO

 しかし、日本とイラクの力関係は、思いのほか接近している。試合に勝つためには1点では足りない。少なくとももう1点はほしい――との読みは当然、成り立つ。

 なにより、前半8分に挙げた先制点を守り切るという試合はなかなかお目にかかれない。強かった頃のイタリアとかドイツとか、例外はあるが、世界のサッカーが攻撃的になるにつれ、その頻度は激減した。

 後ろを固めるのではなく、前から圧力をかける。現代サッカーの逃げ切りのパターンは、むしろこちらだ。これをどこまで突き詰められるか。ハリルジャパンに問われていたのはそれだった。チームのヘソのポジションに新顔を3人も送り込んだ監督には、いっそう徹底した指示が求められていた。

 監督自らの意志をピッチ上の選手に伝える機会といえばメンバー交代だ。その機会は1試合に3回。この試合では、井手口→今野泰幸(後半17分)、原口元気→倉田秋(後半25分)、酒井宏樹→酒井高徳(後半31分)になる。

 このうち2つはケガによる交代だった。そうではないケース、すなわち監督の意志が反映されていたのは、原口と倉田の交代だった。

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