U-20W杯に思う。今こそ日本サッカーは「育成指導者」の育成が必要 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 それに対して、日本およびアジア諸国では、いまだに五輪に出場するU-23のカテゴリーまでが育成年代と考えられている。昨年からJ3にJクラブのU-23チームを参戦させ、若手の成長を促しはじめたばかりというのが実情だ。

 その違いは、今回のU-20W杯の登録メンバーを見てもよく分かる。

 今大会にヨーロッパ王者として参戦する「育成大国」フランスのメンバーには、U-18代表から飛び級招集されたトゥールーズの正GKアルバン・ラフォンをはじめ、DFイッサ・ディオプ(トゥールーズ)、MFアミーヌ・アリ(ナント)、MFリュカ・トゥザール(リヨン)、MFリュドヴィク・ブラス(ギャンガン)、FWアラン・サン=マクシマン(バスティア)といったリーグアン(フランス1部リーグ)のクラブのレギュラークラスが名を連ねる。

 それ以外にも、ワールドクラスの選手がひしめくパリ・サンジェルマンのMFクリストファー・エンクンクとFWジャン・ケビン・オギュスタンなどは、他クラブであれば間違いなく主軸となれる逸材だ。彼らは例外なく、ビッグクラブのスカウトたちの視線が注がれている、いわゆる「金の卵」たちである。

 さらにこの世代には、すでに国際的に名を広めている20歳のFWウスマン・デンベレ(ドルトムント)や、18歳でA代表デビューを飾ったFWキリアン・ムバッペ(モナコ)といった大物たちもいる。すでに一線級として活躍する彼らは、今大会には「あえて」出場しない。

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