U-20日本は「2種類の2トップ」と「セットプレー」で世界に挑む (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 ゲームが動いたのは15分、坂井の左CKに小川が頭で合わせて日本が先制。この少し前、坂井はニアにいた冨安にCKを合わせている。これで冨安への警戒心を強めたホンジュラス守備陣の裏をかく、ファーサイドへの見事なキック。「ドンピシャでいいボールが蹴れた。狙いどおりでしたね」と坂井も胸を張った。

 実は、日本の3ゴールはすべてがセットプレーによるものだった。

 47分の同点ゴールは、坂井がPKで決めたもの。63分の3点目は、MF遠藤渓太(横浜F・マリノス)のCKにDF板倉滉(川崎フロンターレ)が頭で合わせたものだ。

 小川をはじめとして「セットプレーでしか取れなかったのは不甲斐ない」と嘆く声が選手たちから聞かれたが、セットプレーでゴールが取れるならこれほど効率的なことはない。「キックの質がよかった」と内山篤監督も納得の表情を見せていた。

 キッカーには坂井や遠藤のほかにも三好、MF市丸瑞希(ガンバ大阪)、FW久保建英(FC東京U-18)と豊富な人材が控えており、南アフリカ戦までにバリエーションをさらに増やすことも可能だ。セットプレーはこのチームの強みと言っていい。

 もっとも、先制したとはいえ、日本が前半の主導権を握れていたわけではない。

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