19年W杯、20年東京五輪へ。新生なでしこのベースはできあがった (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「実は昨日の直前練習があんまりよくなくて......。高い位置を取って、そこからボールを配給したり、積極的に仕掛けていけと言われていたので、(試合のなかで)高い位置を取ったら(中島)依美さんが中に落ちて、そこでフリーで前を向く形を作れました」(高木)

 ここ数試合は左サイドの長谷川の活躍でなかなか攻撃面に絡めずにいた右サイドが、ようやく活性化してきた。

 そんな中、高木のパスから生まれた先制点は横山の個のプレーが際立つものだった。パスを受けた横山は右足のタッチでDFをかわす。一瞬、わずかに引っかかるような動きを見せた。「シュートを打つか迷った」という横山のその一瞬の動きで相手DFの重心は左にブレ、その隙に横山はすかさず左足を振り抜いた。ボールの軌道を確認した横山が渾身のガッツポーズ。ここまで3試合連続ゴールだ。

 本人は常に複数ゴールをイメージしているため満足げではなかったが、アルガルベカップでは全試合で得点シーンに絡み、2度の先制点、日本唯一のゴールなど、重要な結果を残している。今後厳しいマークも予想されるが、ここからが横山の正念場になるだろう。

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