引きこもるタイを釣る。日本代表は「ブラジル戦の撒き餌」を思い出せ (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 そう警鐘を鳴らしたのは、FW本田圭佑(ACミラン)だ。本田と同じく3度目のワールドカップ予選となるDF長友佑都(インテル)も気を引き締めている。

「みなさんが得失点差だとか、大量得点だとか僕らをあおるけど、それにはあまり乗らないようにしたい。タイだからといってナメてかかると、足もとをすくわれると本当に思っているので、まずは勝ち点3を獲りたいと思います」

 今予選に限らず、過去の最終予選を振り返ってみても、アウェーゲームよりホームゲームのほうが苦戦する傾向がある。大観衆の後押しがプレッシャーや焦りにつながることがあるからだ。

 それに相手チームも、亀のように閉じこもり、引き分けを狙ってくることが多い。

 変則3バックのような形を取って守備に徹した昨年10月のオーストラリア戦、ハイプレスをかけてショートカウンターを繰り出した昨年11月のサウジアラビア戦、アンカーを置く4-3-3を採用した先日のUAE戦と、ハリルジャパンはここまで対戦相手と状況に応じてメンバーと戦術を変え、臨機応変に戦えるようになってきた。

 その一方で、ザックジャパンのころから、いや、それ以前から日本代表が抱える課題は解消されていない。

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