引きこもるタイを釣る。日本代表は
「ブラジル戦の撒き餌」を思い出せ (3ページ目)
引いた相手を、どう崩すのか――。
かつてアルベルト・ザッケローニ監督は、サイドハーフを開かせることで相手のディフェンスラインを広げ、そこに生まれたスペースをトップ下の本田が使ったり、FW岡崎慎司(レスター・シティ)やMF香川真司(ドルトムント)らサイドハーフがダイアゴナル(斜め)に飛び出したりして攻略しようとした。
果たして、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はタイ戦を迎えるにあたって、チームにどのような策を講じるのか。
「タイ戦では自分たちが主導権を握ると思います。アクションサッカーを積極的にトライしてやっていきたいし、そこで自分が担うものも大きいと思っているので、そのイメージと準備をしていきたいと思います」
そう意気込むのは香川だ。UAE戦では守備における貢献度が高かったものの、戦術上、攻撃面における持ち味をなかなか発揮できなかっただけに、タイ戦では自身の存在価値をさらに証明したいと考えるのも当然だろう。
一方で、逆の発想があってもいい。
一方的に敵陣に押し込むから相手は引いてしまい、強引にこじ開けようするから、なお閉じこもるのであって、逆に、前に出てこさせるためにあえて相手にボールを持たせたり、カウンターの機会を与えたりするような、「北風と太陽」の寓話のようなやり方である。
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