「僕の理想にはまだ半分くらい」。西川周作が語る、ハリルJの完成度 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「エイジさん(川島永嗣。FCメス/フランス)については、ベテラン枠みたいな感じで(代表メンバーに)入れているとハリルホジッチ監督は言っていますけど、僕はそれを信じていません。エイジさんはGKとしてまったく衰えを感じさせていないし、むしろ成長している。しかも、監督はエイジさんを信頼している。

 だから、今でも怖いです。攻撃の選手もスパッと代えられていますし、そういうのを見ていると、GKだって安泰じゃない。いつ代えられるかわからない。でも、負けたくない気持ちは当然あります。やっぱり、W杯で試合に出て、活躍したいので」

 厳しい競争にさらされながらも、西川の視線はロシアW杯をはっきりと見据えている。

 そんな西川も、ブラジルW杯では勝つことがいかに難しいかを知った。アジア予選を難なく突破して、充実期を迎えたメンバーがそろいながら、1勝することさえできなかった。しかし、その敗北を経験して、西川はW杯で勝つために必要なことが見えたという。

「W杯で勝つために何が必要かと言われると、戦術うんぬんではなく、メンタルだと思います。ブラジルW杯のときは、相手に押し込まれている時間が長かったですし、それにビビるわけではないんですが、(気持ちが)引いてしまっていた。それと、南アフリカW杯のときは、岡田(武史)監督が守ってカウンターというやり方を明確にしていたけど、ブラジルではそこが中途半端だった気がします。前で(ボールを)取るなら取る。引くなら引くと、戦い方を明確にしたうえで、より気持ちを強く持って戦わないと、世界の強い国には勝てないな、と思いました。

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