前園真聖が語る日本代表。「本田、長友は大丈夫だけど、香川は心配」 (2ページ目)

  • 津金一郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 2016年は海外組の選手たちの多くが、所属するクラブでポジションを奪えず、リーグ戦で試合に出場できない状況にありました。大迫勇也、原口元気、吉田麻也、乾貴士(ハリルJでは未招集)、長谷部誠、酒井宏樹、酒井高徳、2017年になってからはケガから復帰した武藤嘉紀が、コンスタントに試合出場していますが、それ以外の選手たちはクラブで出番が得られない。その結果としてコンディションが整わず、日本代表に招集されても本来のパフォーマンスが発揮できない悪循環に陥りました。

 クラブで試合に出ていなくても、代表で最大限パフォーマンスを発揮できれば問題はありません。しかし、僕も経験があるのですが、練習でどれだけ厳しいトレーニングをして追い込んでも、フィジカルや試合勘が実戦ではなかなかフィットしません。クラブで試合に出ている選手はコンディションがいいので、代表でも実力を発揮しやすく、クラブで信頼されてプレーできている自信を持って代表戦でもプレーできている。もちろん、このことは日本代表の選手たちも十分に理解しています。そのため清武弘嗣は、Jリーグの今シーズンからセレッソ大阪に復帰を決めました。

 昨夏からセビージャで新たな挑戦をしていた清武の場合は、開幕戦から起用に応える働きを見せていましたが、ナスリ(元フランス代表・移籍期間最終日の8月31日にマンチェスター・シティから移籍)の加入など、チーム事情が大きく変わったことで出番が得られなくなりました。今回の復帰で「スペインリーグへの挑戦に失敗した」とか、「都落ちした」といった見方をする人もいるかもしれませんが、僕は清武がスペインの他クラブに移籍していれば、出番があったと思っています。それにJ1に再昇格したC大阪を優勝に導くような高いモチベーションで臨むでしょうから、コンディションが万全な状態で日本代表でも活躍してくれると思っています。本田圭佑や香川真司のコンディションが不透明なだけに、清武がやってくれなければ困ってしまいますからね。

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