サウジに勝利も、Jリーグ軽視のハリルに次戦までの代表強化は望めない (5ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 海外スタンダードに足りない部分があるなら、それを伸ばすことはもちろん必要だ。しかし、逆に日本人選手が得意なことを武器にするのも、また強化ではないのか。

 現在の日本はそもそも人材難であり、ハリルホジッチ監督にも同情の余地はある。とはいえ、あまりに偏った考え方が自らの首を絞め、選択の幅を狭めているような気がしてならない。

 次回のW杯最終予選(UAE戦)は来年3月。ハリルホジッチ監督はただでさえJリーグに興味がないうえ、それまでの間、Jリーグはシーズンオフに入る。それを考えれば、国内組の選手が新たに抜擢される可能性は非常に低い。

 つまり、次戦までの日本代表の強化は「海外組が試合に出られますように」と、祈ることしかできないのだ。メディアやサポーターはもちろん、当のハリルホジッチ監督でさえも。

 サウジアラビア戦の勝利で、何となく大きな山を越えたかのような雰囲気が漂っているが、まだ何も終わっていないし、何も決まってもいない。

「我々の強みは、海外組のプレー回数が多いことによって決まる」のだとすれば、最終予選が再開される4カ月後には、状況はさらに悪化している可能性も十分にある。

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