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「本田、香川抜き」が成功のサウジ戦。
ひと安心のいま必要なことは? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 驚くべきことに、その傾向は後半頭から本田が出場しても維持された。彼が変なポジション移動を見せたことは、最近では一番少なかった。濃すぎるプレーもなく、与えられた役割を謙虚に、忠実にこなそうとした。

 本人の判断なのか、ハリルホジッチからの指示だったのかは定かではないが、その激変ぶりは一目瞭然だった。絶対的エースの座から陥落した産物だとすれば、遅すぎた成果といえる。

 1カ月遅れの決断こそが、ドタバタを生んだ最大の要因。そう言いたいところだが、それはハリルホジッチに対する優しすぎる見解になる。この事態は、欧州の昨季を見れば、十分予想できたものであるし、もっと言えば、就任当初から、想定できた案件だった。年齢構成。所属チームでの活躍度を勘案すれば、チームに大きな改革が必要なことは、当時から明白だったのだ。

 なにより前任者であるアギーレの戦いぶりを振り返れば、改善ポイントは明白だったのだが、ハリルホジッチはその流れを知ってか知らずか、無視するように、先を見ず、ただ現状のベストを毎度、模索し続けた。親善試合、アジアの弱小相手に、結果を残そうと必死になった。

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