「本田、香川抜き」が成功のサウジ戦。ひと安心のいま必要なことは? (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 2ゴールを奪った先のオマーン戦に続き、このサウジ戦でも大迫は存在感を発揮した。ゴールこそならなかったが、頼りになる攻撃の軸として機能。彼の加入で日本の攻撃はずいぶん活性化した。攻撃に安定感が生まれた。少なくとも、イラク戦、オーストラリア戦で招集に踏み切るべきだった選手であることが、この2試合を通して皮肉にも証明された。ハリルホジッチの功績を称えるわけにはいかない。

 本田、香川真司の処遇もしかり。特に本田については「彼以上の選手は他にいるだろうか」と、これまたつい1カ月前まで、ハリルホジッチは絶対的エースだと言い切っていた。すでに所属チームのミランで、出場が難しくなっていることが明確になっていたにもかかわらず。

 サウジ戦。本田、香川のいない日本は、従来と何が違っていたか。ひと言でいえば、ケレン味のなさだ。シンプルでスキッとした良好な流れがもたらされていた。変にポジションを移動し、邪心を漂わせるように存在を誇示したがる王様然とした選手はゼロ。特定の選手にボールが渡ることで、流れがリセットされるようなことも、全体のバランスが歪(いびつ)になることもなかった。

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