2016.11.12

注目はサウジ戦「本田圭佑の処遇」。
大迫勇也だけで悪い流れは断てない

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 ハリルホジッチはこのオマーン戦にも本田を先発で起用した。12試合を消化したセリエAで、その出場時間はわずか81分。精神的なノリ、試合勘に思い切り欠ける選手の惨状は、この試合でも浮き彫りになってしまった。

 自信がないのだろう。本田は自分が好むプレーばかりに走った。100の力がそのまま発揮されれば、その王様的な振る舞いはギリギリ許されるが、70、80、いや50、60では、大きなお荷物になる。FW的な魅力はほぼゼロ。4-2-3-1の3の右に求められる、右サイドでの決定的なプレーもほぼゼロに近かった。

 真ん中に入り込み、時には逆(左)サイドにまで出ていって小ワザに走ろうとするが、かつてのキレ、粘り、そして試合勘がないので、攻撃は混乱するばかり。左右のバランスを大きく乱すことにもつながった。

 結局、日本の右からの有効な攻撃もほぼゼロに終わった。右サイドをシンプルに縦に抜ける選手がいれば、日本の攻撃はどれほど活性化するか。想像するのはたやすかった。

 ハリルホジッチはその本田を後半16分、ベンチに引っ込めた。試合後の会見ではこう述べている。「中に、試合のリズムについていけない選手がいた」と試合を総括した後、本田の件に触れて、「試合勘、プレーにリズムがなかった。経験のある選手だが、サウジ戦に向けて、いま一番よいパフォーマンスにあるのは誰なのか、探っていかなければならない」と、つい1カ月前とは大きく異なるニュアンスの答えを返してきた。