注目はサウジ戦「本田圭佑の処遇」。大迫勇也だけで悪い流れは断てない (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 少なくとも、だ。もう1カ月早く(イラク戦、オーストラリア戦の前に)呼んでおくべき選手だった。しかし、ハリルホジッチが語った当時の大迫評は「我々のグループに入って来つつあるレベル」。ハリルホジッチは、出場機会を得られない従来の欧州組の現状を嘆きながらも、彼らをスタメンで起用し続けた。

 選手の精神的なノリ。サッカーにおいてその高低は、とりわけ重要な問題になる。精神的なノリが高ければ100の力が100以上発揮される可能性があるが、低ければ100は出ない。せいぜい70、80止まり。試合に出ているか否かは、そうした意味で重要になる。試合勘のない選手が中心を占めるチームに、大きな期待は寄せられない。サッカーはそういうスポーツだ。

「本田に勝る選手はいるだろうか」と、言い続けてきたハリルホジッチ。本田圭佑が従来通りの力を100発揮しているなら、その理屈には納得せざるを得ないが、70、80程度にとどまるならとうてい承服できない。

 せいぜい70、80という状態が、何試合も続く本田。100が望めない選手に成り下がってしまったかに見える選手を重用し続ければ、チームは沈滞ムードに陥る。プラスアルファの力は見込めなくなる。日本代表に勢いが生まれない最大の原因と言える。

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