漂流するハリルジャパン。サウジを圧倒するイメージがわいてこない (4ページ目)

  • text by Sportiva photo by Fujita Masato

杉山 こう言っちゃなんだけど、あの時であれば、少し直せばよかったんです。その「少し」は決定的な要素ではあったし、それを日本人の選手で補えるのかという日本サッカーの永遠の課題もあるのだけれど、少なくとも補修すべきポイントは見えていた。ザックジャパンでも、アギーレ時代の2015年アジアカップの時でも、何となく2カ所、3カ所ぐらい修繕すればもうちょっとよくなるよね、というのがあったんです。今はどこに手をつけていいか分からない感じになってきている。そこには長年同じメンバーでやってきたことによる選手の劣化、老化という問題もあるし。

浅田 いろいろな問題をはらんでいる。ハリルホジッチは「本田圭佑よりいい選手はいるのか」と言いますが、僕はいると思うし、仮に今現時点で本田よりいい選手はいなくても、2年後の本田と、例えば清武弘嗣や原口元気の2年後を比較して、本田のほうが本当に上だといえるのか、と。そこには今後、上積みの可能性がまったく感じられない。

杉山 ただ、別にハリルホジッチの肩を持つわけじゃないけど、日本に来てまだ1年半しかたってないし、日本のサッカーの全体像を把握するというのは難しいのかもしれない。そもそも代表監督というのは契約期間内のことしか考えない傾向があるのだから、ハリルホジッチが言うことに対して、「いやいや、そうかもしれないけど、できるだけ若手を使ってください」と言うのがサッカー協会なり技術委員会の役割でしょう。そもそもハリルホジッチが来た瞬間にそういう日本の状況をちゃんと説明しているのかどうかも疑わしい。手をつけるべきところが、サッカーの中身にあるし、それを取り巻く世界にもある。

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