スペインの知将が語るイラク戦。「日本が苦戦した理由を3つ教えよう」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 秀逸だったのは長谷部誠だろう。CBの前にフタをしながら、いい間隔で中盤全体をサポートしていた。序盤、長谷部が気を利かせなかったら、日本はもっと厳しい攻撃を受けていただろう」

 エチャリは続けて、前半25分の得点シーンまで、ラインを破るパスがなく、サイドが淀み、攻撃が停滞していたことに苦言を呈している。

「攻撃が滞った理由としては、バックラインと中盤でのボール回しが遅すぎた。ボールを失うことを恐れるのではなく、ラインを破るようなパスを打ち込まないと、有効な攻撃は生まれない。結局、GK、CB、SBが長いボールを放り込むだけ。本田圭佑、原口元気のサイドを使えなかった。攻撃が中央に偏ってしまい、幅が作れないことで、立ち往生する時間が続いた」

 前半25分の得点は、原口が帰陣して中央でボールを奪い、それを清武弘嗣が持ち込み、右サイドの本田にパス。さらに本田の外を回り込んだ清武がパスを受け、ニアポストに入った原口のヒールで押し込んだ。

「一連の動きで目を見張ったのが、岡崎慎司だった。清武から本田へパスが出る直前、CBを2人も引き連れ、逆サイドへ流れている。岡崎はとても頭のいい選手。後半の立ち上がりにも、清武のパスを右前のスペースに走って呼び込んでいるが、そのタイミングは喝采に値する」

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