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今こそ重大決断のとき。攻撃も守備も
「何もなかった」ハリルジャパン (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 試合後、指揮官は「強い気持ち」や「勇気」を強調し、満足そうな様子を見せた。「選手たちには強い気持ちを見せろと言ってきたが、それが見られた価値の高い勝利」であり、「困難なときによりよい結果が出せるかどうかがフットボールでは大事」なのだという。

 もちろん、メンタル面の重要性は言うまでもないが、それだけで勝てるわけでもない。それは技術や戦術といった部分でやれることを最大限にやったうえで、その先にあるべきもののはずだ。勝ち点3を手にしたことで、前例がないほどに酷かった試合内容から目を背けてしまうのは、あまりにも危険だ。

 結果に関して言えば、レフェリーに助けられた部分もある。

 日本の先制点は映像で見直すと、MF本田圭佑からMF清武弘嗣にパスが出た時点で、本当はオフサイドだった。山口の決勝ゴールのシーンでは、ケガでピッチの外に出ていたイラクの選手がすぐに戻ることを許さず、日本はひとり多い状況でプレーできた。試合終了直前では、DF酒井宏樹がクリアミスを犯し、日本にとってはまだ危ない状況が続いているなかで、タイムアップの笛を吹いてくれた。

 イラク代表のラディ・スワディ監督は試合後、「レフェリーは日本をサポートしている」と厳しい口調で語っていたが、イラク側に立てば当たり前の主張だ。韓国人レフェリーが隣国・日本に肩入れしたと思いたくもなるだろう。

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