本田圭佑が語るハリルJの現状。なぜ相手は日本にビビらなくなったのか

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Fujita Masato

 先制点に関してはオフサイドに見えたし、セットプレーからの失点は防げたように見えた。アディショナルタイムでの勝ち越し点は、得点者の山口蛍が「普段ならふかしているんだけど」と明かしており、軌道上にいた酒井宏樹のジャンプがあったからこそ生まれたラッキーなゴールでもあった。予選では勝利が全てという観点からみれば満足すべき結果なのかもしれないし、劣勢を跳ね返す勢いが生まれたという点ではUAE戦よりはポジティブに捉えるべきかもしれない。とはいえ、イラク戦を会心の勝利という人はいないはずだ。

イラク戦に先発、81分までプレーした本田圭佑イラク戦に先発、81分までプレーした本田圭佑 日本はこのままでいいのか。この体制、この監督でいいのか。常にこのチームの中心にいた本田圭佑は現状をどう見ているのだろうか。

 試合後の本田圭佑はこう語っている。

「そんな楽観視はしてない。これはこれ、次は次だ、というような切り替えが大事かな、と。本当に次につないだというだけの認識なので、一喜一憂せずに、今日は今日で喜べばいいですが、明日からは切り替えて、オーストラリア戦に向けてチームとして準備したいなと思います」

 本田自身のパフォーマンスも決して評価できるようなものではなかった。前半から"消えている"時間帯が多かった。それでもハリルホジッチが81分まで引っ張ったのは、ひとえに過去、どれだけ消えていても決定的な仕事をしてきたという実績があるからだろう。

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