鬼門の準々決勝、イラン戦へ向け温存した「極秘セットプレー」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi  佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 モタハリとパフラバンに加え、警戒すべき選手は17番のメフディ・トラビだ。すでにA代表の一員でもある左ウイングは、中国とのグループリーグ第3戦で直接FKを叩き込んでいる。

 一方、3連勝に加え、ここまで23人中22人を起用し、競争意識も改めて高まっている日本にとって、不安要素のひとつがケガ人である。

 右サイドバックとして初戦、2戦目でフル出場した室屋成(明治大)は左足を打撲し、タイ戦翌日の練習は別メニューをこなしていた。しかし、欠場したサウジアラビア戦翌日の練習には元気な姿を見せており、前述したトラビとのマッチアップで奮闘してくれるだろう。

 ただ、同じく初戦と2戦目に先発し、右足付け根付近に炎症を起こしている鈴木武蔵(新潟)は、欠場したサウジアラビア戦翌日の練習も別メニュー。イラン戦には間に合わないかもしれない。

 鈴木が欠場する場合は、従来の4-4-2ではなく、久保裕也(ヤングボーイズ)を1トップとして起用する4-2-3-1に変更して戦う可能性もある。4-3-3の布陣に近いイランに対し、中盤でのマークをはっきりとさせられるからだ。その場合、2列目に並ぶのは、矢島慎也、中島翔哉、南野拓実(ザルツブルク)となるだろうか。

「毎試合、よくなっている」と久保も言うように、試合を重ねるごとに日本攻撃陣の間の連係は高まってきた。だが一方で、一進一退のゲームを決めるのは、北朝鮮との初戦がそうだったように、しばしばセットプレーであることが多い。

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