ハリルホジッチは語らない。日本がカンボジアに苦戦した本当の理由 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Reuters/AFLO

 日本と欧州の差。日本サッカー界が詰めていかなければならない点は、具体的にどのような問題で、そしてその差は詰まっているのか、広がっているのか。ファンはそこのところを常に知りたがっている。少なくとも僕はそう分析しているが、この2次予選を通して、別のことが気になってしまうファンも増えているのではないだろうか。

 カンボジアと日本の差。W杯2次予選を戦うチームとの差だ。

 かつてより接近している。しかも急速に。原因は日本のレベルダウンにある。カンボジアのレベルアップもあるが、それに勝る理由だ。カンボジアの攻撃は、全体が前に出て行かないカウンターだと片付けたハリルホジッチだが、日本は、そのカンボジアにゲームを支配され、押し込まれる時間帯さえ何度かあった。

 カンボジアのレベルは、日本のU‐17ぐらいだと言われる。冬の高校選手権に出場してくるチームのような相手に0-2。しかも先取点はオウンゴールで、2点目は相手が疲れた後半のロスタイムだった。

 大苦戦の原因について「招集メンバーを多く使ったため」と、サブ選手の能力的な問題として処理しようとしたハリルホジッチ。ベストメンバーを編成すれば、そんなことはない。私の勇気がアダになっただけと、逆に自分の果敢な行動に胸を張ったようにさえ見えた。

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