上機嫌なハリルホジッチに問う。中国戦はそんなに良かったか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 早草紀子●写真photo by Hayakusa Noriko

 監督の力と選手の力。試合に及ぼす影響がこの2つだとすれば、中国戦は50対50のように見えた。選手も選手だが、監督も監督。

 選手について言えば、2年前、韓国で行なわれた東アジアカップに臨んだザックジャパンより劣っていた。あのときも、国内組中心のメンバーだったが、もう少し総合力が高かった。

 日本人のサッカー選手のレベルは、いま右肩下がりの状況にある。だからどうするか。優秀な監督でなければ、これまでのレベルを保つことは難しい。そうした視点に基づいてハリルホジッチを眺めると、とても物足りなく見える。就任以来、劇的に改善したという感じはまるでしない。

 監督の力で勝った。そう思える試合に遭遇する必要があるのだ。海外組不在の今回は、まさに監督の力、ハリルホジッチの監督力を探るには格好の機会だった。

 縦に速いサッカー。推進力のあるサッカー。就任当初、耳にしたのはこの台詞だが、それ以外、サッカーの中身について、その口から出てきていない。どんなサッカーがしたいのか、ピッチ上の選手のプレイからも伝わってこない。露わになるのは、かつてに比べてレベルダウンした選手の姿ばかり。

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る