2015.08.10

上機嫌なハリルホジッチに問う。中国戦はそんなに良かったか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 早草紀子●写真photo by Hayakusa Noriko

 試合後のハリルホジッチは上機嫌だった。

「ラストパス、フィニッシュの力に欠けていただけ。3試合で一番良かった。もっと得点が奪えそうなチャンスもあった。勝てなかったけれど、高く評価している」

 その口を突いて出たのは、ポジティブな話ばかりだった。素朴な疑問に襲われる。

「そんなに良かったですか?」

 比較対象を過去2戦に求めれば、そりゃあ良かった。しかし、日本代表のあるべき姿としてどうだったかといえば、良くない。褒められない試合だ。

中国戦で武藤雄樹に指示を与えるハリルホジッチ監督 中国は、選手個々の技量で日本の下を行く格下。攻撃は、受け手と出し手のみの関係に基づく、ミエミエのパスワークが主体だ。見ていてつらくなるサッカーをする相手に対し、結果論を振りかざすわけではないが、引き分けてしまった。押して、押して、押しまくって、不運にも引き分けてしまったわけではない。普通によく見かける引き分け劇を演じた。

 結果に対して喜ぶべきは中国側。にもかかわらず、ハリルホジッチは喜んでしまった。そのピント外れとおぼしき楽観主義はどこから来るのか、心配になる。