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田口泰士が語るブラジル戦。「ネイマールにやられた理由」 (6ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Sueishi Naoyoshi

 高校時代の練習だった。ゴール前のペナルティスポットからボールを高く上げる。左右に立つ二人がゴールに向かってヘディングで競り合い、負けたら居残る。体をぶつけ合うヘディング練習は最高の鍛錬になった。実戦さながらの激しい当たりで、太ももに膝が入って悶絶したり、着地に失敗して足を挫いたり、骨折をする選手までいた。単純明快なトレーニングは、彼の“戦闘力”を高めることになった。

 そんな彼にはポジションのこだわりなどない。戦うことを許されたら、そこに愉悦を見つける。

「アギーレさんは『複数のポジションをこなせるように』と語っているので、自分としてはアンカーがいいとか、他のポジションがいいとかはないです。そんなことを言える立場の選手ではない。正直を言えば、アンカーの一つ前のインサイドハーフの方が少し恐いかもしれません。オレはドリブルで持ち運ぶタイプじゃないから、連係で崩すしかないし、動き方がよく分からない。相手のプレッシャーもかかってきやすいから、ボールを失う怖さもあるんで」
(続く)


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