アギーレジャパンの緊急課題は「本田ジャパン」からの脱却 (4ページ目)
杉山 中盤の人選も問題だけど、僕がいちばん懸念しているのは、センターバック。アギーレ監督としては、マイボールのときには、センターバックのふたりと中盤の底の選手がバランスをとって、その三角形でボールを回しながら、攻撃を組み立てていきたい意図があると思う。でも、今の日本代表のセンターバックは、パスの能力が決定的に不足している。ふたりとも、キックの精度が悪過ぎる。
浅田 それって、吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)と森重真人(FC東京)のこと? 吉田も、森重も、日本のDFの中では、最もボールコントロールに優れた選手たちですよ。彼らが「ダメ」ということになったら、それこそ、誰もいなくなっちゃう(笑)。
杉山 そうなんだよね、そこが問題なんだよ……。ないものねだりの話になっちゃうから。だけど、もう少しやってくれよって……。
――ここまでの話を聞いていると、6試合を消化して露呈したいちばんの問題は「日本サッカー界の人材不足」という印象があります。
杉山 それは、大いにあるよ。特に、若い選手がいない。
浅田 今回の6試合でも、19歳、20歳くらいの選手を大量に招集して、それでテストしてみたけど、まだちょっと厳しかった、という話ならまだいい。でも実際は、新戦力として呼ばれた選手のほとんどが、22歳から25歳くらいの選手。世界的に見れば、とても「若手」とは言えない選手ばかりだった。そういう現実を目の当たりにすると、不安が募る。
杉山 次のW杯を考えれば、今の年齢にプラス4歳で考えなくちゃいけない。それでいくと、今20歳くらいの選手が何人かいないと困るわけ。
浅田 そう。武藤嘉紀(FC東京)とか柴崎岳(鹿島アントラーズ)が今20歳で、それでスタメンを狙えるような立ち位置にいるのであればいいけど、彼らもすでに22歳だからね。
――確かに、新戦力のように映っている太田宏介選手(FC東京)にしても、もう27歳ですからね。
杉山 4年後には、31歳だよ。そのときには、今より動けなくなっていてもおかしくない。やっぱり、代表のチーム作りはW杯開催年から逆算して考えないと。
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