代表復帰の内田篤人が示した「今のチームに必要な意識」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by JMPA

 加えて今回のキャンプは、アギーレ監督が母国メキシコで開かれたメキシコサッカー殿堂入りセレモニーに参加するために3日目まで不在だったとあって、新指揮官とほとんど顔を合わせていないのだから当然と言えば当然のことだ。

 しかし、「だから、できなくても仕方がない」と考えているわけではない。内田が語る。

「前もっては、いくらでもイメージできる。でも、それをピッチの上でできないから、ワールドカップもあまりうまくいかなかった。(ピッチに)入って自分で考えて、どんどんやっていかないと」

 今の日本代表に必要なのは、実はこういう意識だったのではないだろうか。

 アギーレ監督が公言する以上、この6試合は選手が試される場であることは間違いない。だとしても、指揮官の顔色をうかがってばかりでは、自分の持ち味など発揮できるはずもない。何のために今自分はピッチに立っているのか。それを考えれば、おのずとやるべきことが見えてくるはずだ。

 あたかも若い選手たちへアドバイスを送るかのように、――もちろん、本人にそんな気はさらさらないだろうが――、内田が口を開く。

「傍から見ている感じでは、(これまでの4試合は)テスト色の濃いイメージを受けるけど、選手はそんなの関係なく勝ちにこだわったほうがいい。(そのために自分がやれることを)全部ピッチに置いてくるだけだと思う。それは毎試合変わらないし、誰が入るとか、システムがどうとかっていうのは、監督が考えることだから」

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