代表復帰の内田篤人が示した「今のチームに必要な意識」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by JMPA

ブラジルW杯では3試合すべてに出場した内田篤人ブラジルW杯では3試合すべてに出場した内田篤人 だが、現在の日本代表のチーム状態を考えれば、今彼らを招集することのメリットは十分にあると思う。

 まずは、彼らのような経験のある選手がピッチに立つことで、手探り状態で恐る恐る戦っていたチームに落ち着きがもたらされることが期待できる。当然、ピッチ内には安心感が生まれ、国際試合慣れしていない選手も力を出しやすい環境になるはずだ。

 そこでは当然、選手同士の競争も激しくなる。Jリーグでプレイするベテラン勢にとっては「代表の門は誰にも開かれている」というモチベーションにつながるし、若い選手に対しては、「無条件で席が用意されているわけではない」というメッセージになる。

 若手にしてみれば、同じような立場の選手ばかりが揃った横一線の状況よりも、実績のある選手が横にいて、彼らを越えていかなければ自分たちにチャンスはないと実感させられるほうが、緊張感を持って試合や練習に臨めるはずだ。

 実際、一目置かれる側にいるはずの今野も、ベテランとしてチームを引っ張る意識は「まったくない」と言い、「必死に食らいついて自分のいいところを出したい。他の人のことを気にしていられない」と、純粋に代表争いに参加する構えを見せる。

 とはいえ、いくら経験があると言っても、アギーレ監督がどんなサッカーを目指しているのか、情報が少ないという点では彼らも同じだ。遠藤が語る。

「ピッチでやってみないと分からない。(外から試合を)見ているだけでは分からないことはたくさんある。慣れて理解するまでは慌てずやっていければいい」

 内田もまた、「(練習では)基本的なことしかやっていない。(アギーレ監督が目指すものが見えてくるのは)試合をやってからじゃないか」と言い、手探り状態でプレイすることに変わりがないことを強調する。

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