2014.10.15

岡崎慎司が語る「センターフォワードとしての覚悟」

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 日本代表の「10月シリーズ」は、岡崎慎司にとって大きな意味を持つに違いない。

 ザックジャパンでは、右サイドハーフが定位置。しかし、所属するマインツでは1トップを務め、昨季は15ゴールをマークした。その中で岡崎は、真ん中で自由に動き回り、相手センターバックと駆け引きしながらゴールを奪う術(すべ)を体得。そのため、アギーレジャパンでは、「センターフォワードにこだわりたい」と公言していた。

ブラジル戦でセンターフォワードに先発起用された岡崎慎司 9月シリーズの最中にも、「コーチには希望を伝えたので、監督にも伝わっていると思う」と語っていたが、アギーレジャパン初陣のウルグアイ戦では左ウイングでの先発。ベネズエラ戦の後半はセンターフォワードを務めたものの、ベンチスタートだった。だが、その希望が監督にしっかりと伝わったのか、今季もマインツでここまで5ゴールを奪い、得点ランクのトップに立つ好調さが買われたのか、10月シリーズでは2試合ともセンターフォワードで先発起用されたのだ。

 その10月シリーズ、ジャマイカ戦に続く2試合目となった、シンガポールでのブラジル戦。チームは0-4で敗れたが、及第点に値する数少ない選手が岡崎だった。大柄なセンターバック、ジウを向こうに回してボールをキープし、鋭い身のこなしでディフェンダーを振り切るシーンもあった。

 ニアに飛び込み、酒井高徳(DF/シュツットガルト)のクロスに頭を合わせた35分のシーンは、岡崎ならでは。田中順也(MF/スポルティング・リスボン)の浮き球パスに反応して右足でシュートを放ち、バーに弾かれた55分のシーンは決めておきたかったが、フィニッシュへと持ち込む動きには鋭さがあった。そもそもチャンス自体が少なく、サポートも少ない状況の中、よくフィニッシュまで持ち込んだという見方もできた。

 もっとも、そんな慰(なぐさ)めは、岡崎にとってなんの意味もなさないようだ。