2014.10.15

ブラジル戦惨敗の教訓。「繋ぐ」より「奪う」プレイを

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 アギーレは「アジアカップのメンバー選考を兼ねた準備試合」だと言った。9月、10月、11月に行なわれる親善試合6試合を、当初からそう位置づけていた。ブラジル戦といえども例外ではなかった。

 ブラジルとはこれまで何度か対戦してきた。胸を借りてきたわけだが、「ベストメンバー度」という点では、今回の日本代表が最も低い。日本のスタメン選手を見て、ブラジルはさぞ驚いたに違いない。スタジアムを満員に埋めたシンガポールのファンもしかり。香川真司に加えて、本田圭佑もスタメンにいない日本代表に、いささか拍子抜けしたと思う。

ネイマール(ブラジル)と競り合う森重真人 ブラジル戦はいわば晴れの舞台。選手にとっては憧れの舞台だ。にもかかわらずアギーレは、そこにキャップ数の少ない選手をずらりと並べた。

 弱者である日本の方が、むしろ練習試合、テストマッチ色の強いメンバーで臨んだ。準備試合というコンセプトを貫こうとした。結果を欲しがろうとしない戦いをした。

 ブラジルとは、ザックジャパン時代にも2度対戦し、0-4(2012年10月強化試合)、0-3(2013年6月コンフェデ杯)で敗戦している。しかし、どちらの方が試合になっていたかと言えば、今回だ。メンバー落ち、テスト色を全面に出した割には試合になっていた。18分、日本は先制点を許したが、少なくとも前半は褒めていい出来だった。日本は臆することなくキチンと攻めた。メンバーを落としながら強国ブラジルに善戦。世の中に、格好の良い姿を披露することができていた。