アギーレJの起爆剤となる「MF」香川真司

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Nikkan sports

 香川真司がブラジルW杯以来、約4カ月ぶりに日本代表に帰ってきた。

 9月に行なわれたハビエル・アギーレ監督の初陣で、ケガのために招集が見送られた香川にとっては、新監督就任後、初めて臨む日本代表での試合になる。

代表チームに合流し、精力的にトレーニングをこなしている香川真司。代表チームに合流し、精力的にトレーニングをこなしている香川真司。「W杯がああいう結果に終わってしまい(グループリーグ敗退)、すべてにおいてまだまだ不十分というか、課題が残った。あの悔しさをもう一回、繰り返すわけにはいかない」

 香川はそう語って、新たなスタートに意欲を見せる。

 香川が復帰したことで注目されるのは、そのポジションだ。9月の2試合(ウルグアイ戦0-2、ベネズエラ戦2-2)で、アギーレ監督が採用したフォーメーションは4-3-3。そのなかで、香川に託されるポジションはどこかと考えたとき、過去の日本代表での起用を踏まえると、左FWが有力とも思われた。

 だが、アギーレ監督は今回の代表メンバー発表時に「香川はトップ(FW)でも、MFでもプレイできる」としたうえで、こう話している。

「4-3-3の中盤で見たい。(2010年に)ドルトムントでプレイし始めた頃もそこでプレイしているし、マンチェスター・ユナイテッドでも最後のほうはそのポジションでプレイしていた。基本的には4-3-3の中盤の選手と考えている」

 指揮官の構想は、10月6日に始まったトレーニングの様子からも明らかだった。

 例えば、5人1組でパスを回す練習。4人が四角形を描くように立ち、ひとりだけがその四角形の真ん中に入ってパスを回すなかで、「真ん中に立つひとり」を務めていたのが柴崎岳、森岡亮太、田中順也、そして香川。香川以外は、いずれも9月の2試合でMFを務めた選手ばかりである。その他の練習メニューでの選手の組み合わせなどから考えて、逆三角形に並ぶ中盤3人のうちの左前、いわゆる「左インサイドMF」が香川に与えられるポジションになりそうだ。

 はたして香川のMF起用には、どんな狙いがあるのだろう。

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