「オールスター戦のようだった」アギーレJの初戦 (3ページ目)
そういう意味では、今後アギーレ監督は、選手に合うポジションはどこか、どんな選手が自分のサッカーに合うのか、選手セレクトを含めて、さらに探っていかなければいけないだろう。
一方で、選手たちももっとアピールする必要がある。みんな一生懸命やっていたけれども、積極性が乏しかった。ずっと代表でプレイしていきたいのなら、自分の力をフルに発揮しなければいけない。そして、おそらくアギーレ監督の中では、4-3-3のシステムで、このポジションの選手にはこうやってほしい、というひとつのイメージがあると思う。それを超えるようなプレイを出していかなければいけない。
ザックジャパンで言えば、森重やMF山口蛍がいい例だ。彼らは、途中からチームに加わったときに、ザッケローニ監督のイメージを超えるプレイができた。だからこそ、最終的にはレギュラーグループに食い込んでいった。そんなふうにして、新たなチームが始動した今、誰もがアギーレ監督が考える以上のプレイを目指してやってほしいと思う。
チームの方向性や狙いについて語るのは、時期尚早だろう。そうしたことは、アギーレ監督とはどういう人で、どんなサッカーをやって、こういうときにはこんなことを言う、というのがわかってから初めて言えること。このあと、10月、11月と試合をこなして、年明けのアジアカップの頃には、アギーレ監督の考え方とか、サッカーの狙いというものが、見ている側にも徐々に伝わってくるのではないだろうか。
著者プロフィール
名波 浩 (ななみ・ひろし)
1972年11月28日生まれ。静岡県藤枝市出身。1995年、ジュビロ磐田に入団し一時代を築く。日本代表では10番を背負い初のW杯出場に貢献した。引退後は、ジュビロ磐田のアドバイザーを務めるとともに、テレビ朝日『やべっちF.C.』などサッカー解説者として活躍
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