アギーレJ初陣。目の色変えるブラジル落選組

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 9月5日、日本代表がウルグアイとの親善試合に臨む。惨敗に終わったブラジル・ワールドカップ後、これが初めての試合である。

 チームとしての再スタートは、選手たちにとって新たな競争の始まりでもある。ハビエル・アギーレ監督は、「ゼロからスタートして、どの11人がスタメンになるかを考えなければならない」と言い、こう語る。

 「若手か、ベテランか。日本代表で初めてプレイするのか、すでにプレイしたことがあるのか。Jリーグでプレイしているのか、海外でプレイしているのか。そうしたことで区別はしない」

 ゼロからのスタートを象徴するのは、今回初めて日本代表に選ばれた選手たちだろう。今季J1でわずか5試合の出場ながらサプライズ選出となったDF坂井達弥(鳥栖)は「一生懸命やるだけ。(練習メニューを)全部全力でやっている」と初々しい。

 同じく初選出のFW皆川佑介(広島)は「プレイでは自分を出しているが、私生活では恐縮するところがある」と苦笑いを浮かべながらも、初めての日本代表についてこう話す。

「みんな気さくに声をかけてくれるし、(チームに)入りやすい。自分がやりやすいように要求してこいと言われて、やりやすくなった。監督が求めることを理解したうえで、自分の持ち味を出せればいいと思う」

 新生日本代表のスタートに意気込むのは、初選出組ばかりではない。ブラジル・ワールドカップを目指して日本代表の一員としてプレイし続けながら、夢がかなわなかった選手にとっては再挑戦の始まりとなる。

 MF細貝萌はザッケローニ監督時代もコンスタントに日本代表に選出されていたものの、最後に選から漏れた。所属するヘルタ・ベルリンでは、ドイツでプレイする他の日本人選手を上回る活躍を見せながらも、それが実ることはなかった。細貝は言う。

「前回の代表は(主力メンバーが)固定されていたというより、それを自分が崩せなかったということ。それは自分の実力のなさ」

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