2014.05.11

悩めるザッケローニ。唯一の希望は絶好調・大迫勇也

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 渡辺航滋●撮影 photo by Wanatabe Koji

 ここにきて、ワールドカップに臨む日本代表に暗雲が立ち込めている。周知の通り、主力の故障が相次ぎ、調子を崩している選手が多いからだ。

 たとえば、キャプテン長谷部誠、CB吉田麻也、右SB内田篤人は、いまだケガの影響で長期に渡って戦列を離れており(長谷部は5月10日の最終節に復帰してスタメン出場)、国内でプレーする今野泰幸、遠藤保仁、柿谷曜一朗らは、トップフォームとは言えない状態にある。

 さらに言えば、大黒柱の本田圭佑と香川真司も所属クラブでレギュラーを確保できていない状況が続き、逆に万全な状態にある主力と言えば、川島永嗣、岡崎慎司、長友佑都の3人だけといった具合である。

 確かに、長谷部、吉田、内田といった故障者たちは、約1カ月後に迫った本番にはプレーできる状態に回復すると見られているが、それでもトップフォームで初戦のコートジボワール戦(6月14日/現地時間)を迎えられるかどうかは不明だ。

 これまでほぼ固定されたメンバーでチームづくりを行なってきただけに、ザッケローニ監督も、この想定外の事態に頭を悩ませているに違いない。日本代表が出場した過去4大会の中でも、コンディションという点においては最悪と言っていいだろう。

1月に鹿島から1860ミュンヘンに移籍し、ここまで6ゴールの大迫 そんな中、「上げ潮」状態で本番を迎えようとしている新戦力もいる。とりわけ、今年1月に日本を離れ、ドイツ・ブンデスリーガ2部の1860ミュンヘンに新天地を求めた大迫勇也の充実ぶりは、悩める指揮官に明るい希望を与えているはずだ。

 本人も公言しているとおり、大迫がドイツに旅立った最大の理由は、「ワールドカップの舞台に立つため」だった。

 昨夏の東アジアカップ(7月)で代表デビューを飾って以来、大迫に対する周囲の期待は高まるばかりだったが、その後に1トップに固定されたのは、同時期に代表デビューして大きなインパクトを残した柿谷曜一朗だった。

 大迫はというと、9月のガーナ戦とグアテマラ戦で招集を受けるも結果を残せず、続く10月の欧州遠征(セルビア、ベラルーシ)ではメンバー外。しかし、ベルギーで行なわれた11月のオランダ戦とベルギー戦で代表復帰を果たすと、オランダ戦ではその能力の高さを証明するテクニカルなゴールを決めて見せた。