【なでしこ】今後のチーム構成を左右する、アルガルベカップの重要性

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 5月にワールドカップ予選を兼ねた『AFC女子アジアカップ』を控え、いよいよなでしこジャパンが本格始動する。2012年のロンドンオリンピック後、ワールドカップ2連覇を目指して再び走り出したなでしこジャパンは、2013年のメインテーマを若手発掘にしてきた。

アルガルベカップに向けた合宿で、男子大学生と対戦する中島依美(左)と澤穂希(右)アルガルベカップに向けた合宿で、男子大学生と対戦する中島依美(左)と澤穂希(右) その上、東京オリンピック開催が決定したことで、目標はリオデジャネイロ大会に留まらず、さらにその未来にまで広がった。しかし、若手の育成・強化と、目標達成との間には大きな隔たりがあることも事実。佐々木則夫監督は、思い切った世代交代か、ベテランとの融合を図るか、双方の可能性を含め、ポルトガルで開催されるアルガルべカップを見極めの大会と位置づけた。

 「本来であれば、昨年で選手の絞り込みを終えていたかった」と佐々木監督が振り返るように、なでしこジャパンのチーム構成は未だ確定していない。

 2月に行なわれた、なでしこチャレンジプロジェクトでは、U-23世代+なでしこ入りの可能性のある選手たちが招集された。そこで若手のポテンシャルの高さに満足げだった佐々木監督は、その多くをスペインで行なわれるラ・マンガ国際大会に出場するU-23女子代表として送り出した。

 吉良知夏(浦和レッズレディース)、乗松瑠華(JFAアカデミー福島→浦和レッズレディース)、入江未希(日ノ本学園高→ベガルタ仙台レディース)ら指揮官のおめがねに適いそうな選手は数名いたものの、現段階でなでしこに昇格させても、できることは限られる。それならば、ラ・マンガ大会へ送り出し、国際舞台で経験を積ませたほうが良いと考えたからだ。

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