2013.12.11

コートジボワールを蘇らせた、ザック戦術を知る「教え子」

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

ブラジルW杯ベスト8への道
対戦シミュレーション(2)コートジボワール

 2014年ブラジルW杯。グループリーグ初戦の相手となるコートジボワールは、日本にとって、決して得意とは言えないタイプのチームだ。

 それを証明する試合だったのが、前回の南アフリカW杯直前合宿で対戦したとき(0-2で敗戦)。選手としてピークにあったコートジボワールのエース、ディディエ・ドログバが、闘莉王との接触プレイで負傷した試合と言えば、思い出す人もいるかもしれない。

 2010年6月、スイスで行なわれたこの親善試合で、日本はコートジボワールの選手ひとりひとりが持つ、フィジカル、スピード、テクニックをフルに発揮されて翻弄させられた。いくら日本の組織力で対抗しようとしても、止めるのは困難だった。岡田武史監督が率いた当時のチーム状況と、今の日本代表とを比較することはできないが、少なくとも真っ向勝負を挑めば、今回も相手のスピードとパワーに圧倒されることになるだろう。

コートジボワール代表を率いるラムシ監督。 コートジボワールのメンバーは、4年前のチームと大きく変わっていない。前線はドログバ(ガラタサライ/トルコ)を真ん中に据えて、両翼にはスピード豊かなジェルヴィーニョ(ローマ/イタリア)とサロモン・カルー(リール/フランス)が構える3トップ。トップ下でゲームメイクするのは、近年円熟味を増しているヤヤ・トゥーレ(マンチェスター・C/イングランド)だ。選手同士にあうんの呼吸というものが出来上がっていて、チームの成熟度という点では日本の上をいくと見ていい。

 顔ぶれは同じでも"マンネリ感"がないのが、現在のコートジボワールの特徴であり、強みでもある。各ポジションには、ベテラン勢を脅かす新たな選手が台頭しており、予選におけるメンバー構成も、試合ごとに微妙に変化している。ドログバでさえも、一時はスタメンから外れていたほどだ。

 力をつけてきた若手を積極的に起用し、それに刺激を受けたベテラン勢の息を再び吹き返させる。そうやってチーム力を向上させてきたのが、指揮を執るチュニジア系フランス人のサブリ・ラムシ監督だ。

 現役時代のラムシが最初に脚光を浴びたのは、フランスリーグのオーゼール時代(1994年~1998年に在籍)。名将ギー・ルー監督の下、メキメキと力をつけて、国内リーグと国内カップのダブルタイトル獲得に貢献(1995-1996)。フランス代表として、EURO1996にも出場している。1998年のフランスW杯メンバーには選出されなかったものの、1998年から所属するフランスのモナコでは、不動のボランチとして再びリーグ優勝を経験した(1999-2000)。