W杯C組・すでに日本はコロンビア指揮官に丸裸にされている (2ページ目)

  • 三村高之●文 text&photo by Mimura Takayuki

 規律とメンタルの強化によるチーム改造は功を奏し、13試合で9勝2分け2敗という好成績を残した。勝ち点率(1試合平均の獲得勝ち点)は2.23で、これは予選1位突破のアルゼンチンの2.00を上回っている。もし彼が初めから指揮を執っていれば、コロンビアが南米1位になっていたかもしれない。

 日本にとって運が悪いのは、ペケルマンが日本代表のことをよく知っていることだ。彼はコロンビア代表監督になるまで、カタールのテレビ局アルジャジーラの解説者だった。そのため、日本が優勝した2011年のアジアカップでザックジャパンを目の当たりにしている。それも通り一遍の見方ではない。大会が地元カタールでの開催だったので、アルジャジーラは総力を注いで取材し、ペケルマンも分かりやすく解説するため、各チームを徹底的に分析した。優勝までした日本は、丸裸に近い状態にされたはずだ。

 あれから時が経ち、日本も進化しているが、本質は変わっていないので、明らかに不利な状況といえる。抽選会後、ペケルマンは、「日本は高いレベルのチームで、W杯の常連だ。コートジボワールは若手世代だったすぐれた選手たちが経験を積み、アフリカで最も強いチームのひとつ。W杯に出てきたときのギリシャは、いつもタフなチームだ。フィジカルが強く、戦術もハードだ」と語り、グループCを「困難なグループだ」と評した。だが、その困難さは、コロンビアと戦わなければならない日本の比ではないだろう。

 選手に戻ると、日本がファルカオ以外にも警戒しなければならないのは、コロンビアの英雄バルデラマが「私の後継者だ」と太鼓判を押した攻撃的MFのロドリゲス(ASモナコ)。天才肌のテクニシャンだがパスセンスも高い。ファルカオとは所属クラブが同じで息も合っている。

 2トップの一角グティエレス(リーベルプレート)は、試合やクラブ内でトラブルを連発する問題児。その性格と同様、プレイスタイルも動物的で、さながら小型バロテッリ。日本の選手があまり対戦することのないタイプなので、戸惑うとことが多いだろう。

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