オランダ戦、ベルギー戦出場19選手、識者たちの採点表 (3ページ目)

  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

MVPは大迫、次点は長谷部――杉山茂樹

MVPは、それまで押されっぱなしだったオランダ戦の前半44分にゴールを決めた大迫。あのゴールがなければ、日本はリズムに乗れなかったはず。ベルギー戦の金星もなかった。ザッケローニのクビは危なかった。続くは、そのシーンで大迫にラストパスを送った長谷部。ベルギー戦でも安定したプレイを見せた。3番手は本田。一時期に比べると落ちるが、依然、頼りになる存在。ザックが2試合フルタイムで使いたがる理由はよく分かる。

GK
西川周作 5.5
オランダとの空中戦を無難に処理するなど、川島との差をわずかに詰めた感じ。フィードの滑らかさが光る
川島永嗣 4
ベルギー戦。相手の1点目は彼の判断ミス。不安定さをさらけ出した
DF
長友佑都 5
ロッベンと対峙。オランダはチームとしてサイドを突く戦法だったので、より苦戦した。元気な動きでチームを勇気づける、いつものキャラを演じられなかった
吉田麻也 5.25
2試合フル出場は本田と彼のみ。主力として起用されたが、ベルギー戦でルカクに走り負ける姿は見てられなかった
今野泰幸 5.5
オランダ戦は若干、高さ不足を露呈。ベルギー戦は終盤、左サイドバックで登場したが、そこではなく、守備的MFで起用されるべき。守備を固めて守り抜こうとするザックの弱気を垣間見た
内田篤人 5
オランダの左ウイング、レンスに背後を再三突かれ、ファンデルファールトの先制点では、プレゼントボールを供給するなど、慌てたプレイを見せた。オランダに意図的に狙われた感じ 
酒井高徳 5.25
ベルギー戦。ミララスの先制点は防がなくてはダメ。ただ、もう一息安定感が加われば、長友からスタメンの座を奪えそう
酒井宏樹 6
回数は少なかったが、瞬間的なスピードを披露。ベルギー戦フルタイム出場がうなずける出来だった 
森重真人 5
相手プレッシャーを浴びて慌てるシーンが2、3度あった。フィード能力を高めればスタメン入りも望める
MF
長谷部誠 6.5 
ベルギー戦だけなら7。光っていた。ただ、相手のプレッシャーはほとんどなく、中盤も間延びしていたという事実も見逃せない
山口 螢 6 
大したミスもなく、落ち着いてプレイ。素早い身のこなしで、リズムを作った。長い時間、使える目処が立った
遠藤保仁 6
後半から入ったオランダ戦で、とりわけ存在感を発揮。ゲームの流れを日本に引き寄せる動きをした。ただし、その活躍は、オランダのルーズさに助けられた面もある。長谷部同様、本当にプレッシャーのかかった高いレベルの試合でどれほどやれるか疑問符が付く 
細貝 萌 ―
守備固めとしてベルギー戦の終盤に登場。だが、日本の守備は逆に危なくなった 
清武弘嗣 5 
活躍したのはオランダ戦の開始直後のみ。伸び悩みの感あり 
本田圭佑 6.5
2戦ともフルタイム出場。相変わらずザッケローニ監督の信頼は厚い。ベルギー戦は7の活躍だったが、オランダ戦の前半はよくなかった。無理なプレイが目立ち、悪い流れの源となった
岡崎慎司 6
右足アウトで蹴ったベルギー戦3点目ゴールは見事。あれが入っていなければ、日本はたぶん負けていた
香川真司 6.25
特に後半入ったオランダ戦。俊敏な動きが光った。相手がバランスを崩す中、広くなった中盤でまさに自由にプレイした。だが、どこがポジションなのかと言いたくなるポジショニングは相変わらず。それに加え、プレイする位置も全体的に低かった。MF化に拍車がかかっている
FW
大迫勇也 6.75 
光ったのは、難易度の高いシュートを流し込んだオランダ戦前半44分のゴール。あの1点がなければ、日本は2連敗していたと言い切っていい
柿谷曜一朗 5.5 
ベルギー戦で同点ゴールをたたき出すも、印象はイマイチ。周りと合っていないし、このレベルの試合の中では線の細さも目立った
監督
ザッケローニ 5
メンバー交代の方法が単調。センスがない。2試合で交代の機会は10度あったが、そのうち9回は同じポジションの選手との交代。戦術的交代は香川と細貝を代えたベルギー戦終盤の1度のみ。しかもその結果、流れは悪くなった。少なくとも名将とは言い難い交代術だ

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