2013.10.31

なでしこジャパン2013年、佐々木監督の総合評価は?

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

W杯に向けて、来年も佐々木則夫監督となでしこジャパンの新たな挑戦は続いていく 10月に中国で行なわれた東アジア競技大会、AFC U-19女子選手権が終了し、今シーズンの”日本女子代表”の活動はすべてが終了した。リオデジャネイロオリンピックを見据えて、続投の佐々木則夫監督のもと、新たに走り出した”なでしこジャパン”。新戦力の発掘、諸外国の動向、中心選手のコンディションなど、さまざまな確認要素が組み込まれながら、”なでしこジャパン”としては、実に50名以上もの選手が入り混じった一年となった。

 スタートは2月に大分で行なわれた全カテゴリーを集結させての大合宿。ここではなでしこチャレンジのメンバーや各カテゴリー女子代表など、垣根を超えた合同トレーニングが中心になった。現在の日本女子トップの選手と新戦力を合わせることで、新たな芽を見出すひとつに当てられたのだ。

 3月のポルトガル遠征(アルガルベカップ)にはチャレンジメンバーから長船加奈(ベガルタ仙台)、加戸由佳(湯郷ベル)、中島依美(INAC神戸レオネッサ)らがなでしこ入りを果たす。と同時に、澤穂稀、宮間あやといったなでしこの顔ともいえるメンバーを敢えて外し、リーダーシップを促すため、大儀見優季(当時1.FFCトリビューネ・ポツダム、現チェルシーFCレディース)、川澄奈穂美(INAC神戸レオネッサ)、岩清水梓(日テレ・ベレーザ)ら中堅選手を中心にチーム形成を行なった。結果は5位。しかし、そもそも結果が問われる大会ではない。佐々木監督が苦言を呈したのは結果ではなく、選手たちの姿勢だった。

「代表に呼ばれることはチャンスでもあるが、ここでアピールできなければ二度と呼ばれないかもしれない厳しい場だ」――佐々木監督は敢えて厳しい言葉を選んでいるようだった。若手に気持ちが入っていない訳ではない。だが、この前年にオリンピックを戦い抜いた気迫を指揮官も主力たちも身を持って経験をしている。国際経験の少ない選手たちがただベストを尽くすのでは足りない。ベスト以上のものを引き出すには、最大限の努力が必要だった。

 ここまでの流れは、北京オリンピックのあとに佐々木監督が行なった戦力発掘のステップとなんら変わりはない。

 北京オリンピック時にはまだ澤、宮間、阪口といった主力が若く、プラスαの選手の台頭が少なくても、戦えるイメージがあった。それでも、佐々木監督はドイツワールドカップの年のギリギリまで若手を起用し続けた。若手の強化にかなりの時間を割いた結果、熊谷紗希や岩渕真奈といった若い選手たちが芽を出し始めたのである。