北澤豪が初告白「20年前のドーハで
受け取った御守りの行方」
時が流れて2年前、オフトがサッカー界を引退することとなり、都内でドーハの戦士たちが集まって『オフト会』が開かれた。北澤はそこで、イラク戦で自分を起用しなかった理由をオフト本人に聞くつもりだったという。
「最初は絶対に聞いてやろうって思っていたんだけど、(聞くのは)やめました。今さらもう、そんな必要はないだろうと思って。(自分の気持ちは)墓場まで持って行きます」
悔しいけど、あのとき
日本はW杯に行けなくて良かった
さて、「ドーハの悲劇」から20年経った今、北澤にはもうひとつ聞いておかなければいけないことがあった。日本代表のサポーターが、ドーハに持ち込んだ鹿島神宮の御守りのことである。そのひとつは、第1戦から4戦目までが行なわれたカリファスタジアムの、メインスタンドから見て右側のゴールの中に埋められていた。そして、日本の5得点中4ゴールが御守りを埋めたほうのゴールに決まった。
しかし、イラク戦ではスタジアムが変わって、あるサポーターから筆者である私に「ふたつの御守りを両方のゴールの中に埋めてほしい」という依頼があった。御守りを受け取った私は、同行したカメラマンにその役割を託したのだが、ふたつだと思っていた御守りは、実は3つあったのだ。カメラマンが言う。
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