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セルビア戦の問題は攻撃陣。日本は4-2-3-1まで揺らいできた (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 そもそもサイド攻撃はザッケローニの信条のはず。にもかかわらず、最近の日本の攻撃は、相手の守備が厚い中央を、ダイレクトのショートパスで強引に突破するというパターンに偏っている。これは、クロスが減っていることと、本田のミドルシュートが減っていることと無関係ではない。

 そしてもうひとつの問題が1トップの人材である。こちらはより深刻だ。

 ザッケローニ体制においては、アジア予選を戦う中で、前田遼一が1トップのファーストチョイスだった。しかし、その前田が調子を落としたこともあって、格上と対戦するときは岡崎や本田が務めるというような、不確定なポジションになった。

 そんな状況でチャンスをつかんだのが柿谷曜一朗だったが、このセルビア戦ではっきりしたように、いきなり柿谷に1トップを一任するのは無理がある。確かに現在急成長を遂げてはいるが、柿谷については、ここで重い責任を背負わせて来年に間に合わせるのではなく、2018年でしっかりと代表の中軸となれるような成長を促すべきだろう。

 本来ザッケローニ監督のサッカーは、1トップには背が高いストライカーを置くことを基本としている。ここ数試合の日本の攻撃でクロスが減っていること、ショートパスで中央突破を図ろうとすること、あるいはショートコーナーが増えていることは、柿谷が1トップに入っていることと無関係とは思えない。

 結局、ザッケローニ監督は、このセルビア戦でほとんど仕事をさせてもらえなかった柿谷を後半途中でベンチに下げ、岡崎を1トップに移している。今年2月のラトビア戦後に、指揮官自らが「岡崎のベストポジションはセカンドトップ」と公言したにもかかわらず、またしても消去法の選手起用を行なったのだ。

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