岡崎慎司が語る「新生1トップ~柿谷・豊田の生かし方」 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 もっとも、失点に関する彼らの言及は、決して歯切れの良いものではなかった。その理由は、責任のいったんは攻撃陣にもあると痛感しているからのようだった。岡崎が言う。

「失点がすべてディフェンスの責任かといえば、そうでもない。ボールを奪われたときの切り替えという点でウルグアイに劣っていたし、前線が簡単にボールを失うから、守備の負担を掛けている部分もあった。それに先制していれば、守備陣はもっと楽にプレイできたんじゃないかとも思う」

 岡崎自身はプレイにキレがあり、コンディションの良さが見て取れた。9日に行なわれたブンデスリーガの開幕戦では、新天地のマインツで古巣のシュツットガルト相手にゴールを奪っている。

 その勢いをうまく持ち込めたウルグアイ戦だった。右サイドからカットインしてシュートを放てば、得意の飛び出しから決定的なチャンスも迎えた。この日のザックジャパンの中で、及第点を与えられる数少ない選手だった。

 だが、好調さは認めながらも、「最後に決めなきゃ意味がない」と岡崎は悔やむ。

「僕自身、3回くらいチャンスがあった。それをモノにできるかどうか。ただガムシャラにシュートを打つだけでは、点は取れない。シュートは打ったほうが良いけれど、打つ前にもうワンフェイント入れて横の味方に出すとか、そういう工夫が必要かなって思う。ウルグアイはカウンターのクオリティが高かったし、シュートまで持って行くうまさもあったし、ここぞというときのパワーもあった。(コンフェデレーションズカップでの)イタリアにも感じたけど、勝負どころになると、みんなが上がってくる。それに比べて僕らはまだ勝負どころを分かってない。攻撃に対しては、もっとシビアに考え、もっと突き詰めていかなければいけないと思います」

 一方、東アジアカップで台頭した新戦力の融合という面ではどうか。

 大敗によって印象が薄れがちだが、柿谷曜一朗と豊田陽平はフル代表に初合流だったにもかかわらず、いずれも持ち味の一端を垣間見せたことは見逃せない。この点についても、前線でふたりと連係を取った岡崎の言葉に耳を傾けてみる。まずは柿谷について。

「やっぱり収まるときは収まるし、良いところを見てくれていて、ワンタッチで出してくれたときにはチャンスになった。そういう(柿谷)曜一朗の良さは出ていたと思うから、今後はチームとしてもっと活かしていきたいと思います」

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