岡崎慎司が語る「新生1トップ~柿谷・豊田の生かし方」

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 国内でプレイする若い選手たちの意地と結束によって、掴み取った東アジアカップ優勝。それによってもたらされた、「ザックジャパンが変わるかもしれない」との期待感が、みるみるうちにしぼんでいく。

 主導権を握っていながらゴールを奪えないでいると、何でもないところでミスを犯してあっけなく失点。そのショックから立ち直れずにいるうちに、さらにミスから失点を重ねていく。天を仰ぐディフェンス陣。自陣のゴールを茫然と眺める攻撃陣......。それは、2ヵ月前にブラジルで見た光景と酷似していた。

「繰り返してしまったという印象が強くて......。失点も、点が取れないのも。これまでの日本代表を見せてしまった」と言ったのは、岡崎慎司だ。彼の言葉が、試合内容を集約していた。

ウルグアイ戦に1トップでスタメン出場した柿谷曜一朗ウルグアイ戦に1トップでスタメン出場した柿谷曜一朗 ワールドカップまであと1年弱――。ザッケローニ監督が「新しい競争の始まり」と宣言したコンフェデレーションズカップ後の強化マッチにおいて、新戦力の発掘に主眼を置いたのが東アジアカップなら、ウルグアイ戦のポイントのひとつは、コンフェデレーションズカップ対戦国と同じレベルの相手に対し、とりわけ守備面において、どこまで修正できたか見極めることにあった。

 結果は、落第だった。

 パスミス、ラインコントロールミス、リスク管理ミス、クリアミス、マークミス......。失点の仕方があまりにお粗末で、コンフェデレーションズカップから修正どころか、酷くなっている印象すらある。

「ちょっと安易に失点し過ぎている」と岡崎が言えば、香川真司も、「前半、立て続けに失点したのは堪えました。イージーな失点だったんで。攻撃的に行ったなかで、簡単に失点してしまうのはもったいなさすぎる」と表情を曇らせた。

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