工藤壮人は岡崎を超えるか、高萩洋次郎はポスト本田になれるか?

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 2点のリードを守り切れなかった東アジアカップ・中国戦――。勝ち点3をみすみす逃す手痛いドローに終わったが、攻撃陣にとっては、わずか2日の準備期間で『ザックスタイル』を体現しつつ、自分の持ち味も発揮できたという点で、大きな自信になったようだ。

「コンセプトを理解した中でアピールしに来たので、チームは勝てなかったけど、最低限ゴールという結果は見せられたかなと思います」

 取材エリアで開口一番、そう語ったのは、4-2-3-1の右サイドハーフとして出場した工藤壮人だ。

ザックスタイルを模索しながら代表初ゴールという結果を残した工藤壮人ザックスタイルを模索しながら代表初ゴールという結果を残した工藤壮人 サイドの攻防で優位に立とうとするザックジャパンにおいて、サイドハーフは戦術上、重要なカギを握る存在だ。守ってはタッチライン際で相手のサイドバックに対してプレスを仕掛け、攻めては味方のサイドバックと連係しながら、サイドを切り崩す。その際、インサイドにポジションを移し、味方のサイドバックが攻め上がるコースを作ることもあれば、敢えて外に張って相手のサイドバックを誘き寄せ、敵のディフェンスラインを横に広げたりもする。この判断が難しい。

 それでいて、ダイアゴナルランでゴール前に飛び出してゴールも狙う――。こうした役割を忠実にこなしてきたのが岡崎慎司で、工藤が狙うのは、まさに「岡崎越え」だ。

 前日練習の後には、自らザッケローニ監督に歩み寄り、サイドハーフの動きについて質問している。指揮官からのレクチャーは、5分以上に渡った。

 その甲斐あって、中国戦ではプレスの掛け方に戸惑うこともなく、序盤こそ、ぎこちなかった右サイドバックの駒野友一との関係は、時間を追うごとに改善された。

「そのあたりは昨日、監督に聞きに行った部分でもあったので、今日は意識して臨みました。駒さん(駒野)は経験豊富で、監督のやり方も理解しているので、分からないことはいろいろ聞いて吸収しています」

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