長友佑都が振り返るオーストラリア戦。「残り10分、動揺はなかった」 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 とはいえ、本気で世界一になるためには、まだまだ足りないことばかり。危機感の大きさは変わっていないと長友は言う。

「今日だって、世界を目指すうえでは勝たなければならない試合。だから、本当に悔しい。世界はまだ遠いな、っていうのが実感です。日本代表に世界のトッププレイヤーが3人ぐらい、いるようにならなければ難しいと思う。選手個々の実力が高まれば、チームとしての総合力も上がるわけで。結局、個人なんですよ。そこしかない」

 また、自分自身のプレイに向ける視線も、厳しい。

「僕自身の実力も本当にまだまだで、あの場面(80分、左サイドからドリブルでペナルティエリアに進入してシュートした場面)も、圭佑がフリーだったのは分かっていたけれど、シュートコースが見えたので、決めてやろうと。でも、ボールが内側に入り過ぎてしまった。あれ、全盛期のマイコンやダニエウ・アウベスなら、冷静に決めているんじゃないですか。そう考えると、自分の実力も厳しいな、って痛感しています」

 それでも、と長友は言う。

「僕は本気で優勝を目指している。そのために、別に笑われても構わない。ただ、本気で目指さないと辿(たど)りつけないと思っているから、信念を持って目指したい。残された時間は短いけど、気合いを入れてやっていきたいと思います」

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