2013.03.10

【なでしこ】課題山積も、惜敗のドイツ戦で予想以上の収穫あり

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

代表デビュー戦の田中美南がゴールを決めるも、ドイツに敗戦してなでしこジャパンは2連敗 ポルトガルで行なわれているアルガルベカップの第2戦。FIFAランク2位のドイツを相手に、生まれたばかりのなでしこジャパン(同3位)が、どれだけ自分たちの狙う展開に持っていけるかがポイントだった。

 なでしこジャパンは現段階でのベストメンバーで臨んだが、澤穂希や宮間あやらの主力を欠く布陣であることは間違いなく、すでにチームのベースが整いつつあるドイツのワンサイドゲームになる危険性も十分あった。そのため、1-2というスコアと内容は、ある意味、試合前の予想を裏切るものだった。

 試合後も、初戦でノルウェーに敗れた時のような落ち込み感が選手たちには一切なかった。もちろん1-2という僅差の敗戦だったから、ではない。

 中堅と若手を中心に招集したこの大会で、佐々木則夫監督は、このドイツ戦だけは、若手育成よりも、なでしこジャパンの新たな可能性を見出すことを狙いとして、招集メンバーの中からベストの布陣を組んだ。

 鮫島彩、熊谷紗希、岩清水梓というロンドン五輪をスタメンで戦った顔ぶれに、同じくバックアップメンバーだった有吉佐織が加わった最終ライン。ボランチには初戦に引き続いて田中明日菜と、五輪直前にケガで離脱した宇津木瑠美が復帰。中盤の左サイドに川澄奈穂美、右サイドは高瀬愛実、2トップには大儀見優季と新戦力の田中美南が抜擢された。

 ただ、現時点のベストメンバーとはいえ、ロンドン五輪決勝の出場メンバーから見ると、澤、宮間、近賀ゆかり、大野忍、安藤梢、福元美穂ら、半数以上が欠けている。これがなでしこジャパンのベストではない。

 このメンバーで、約1年半前からチームづくりをしているドイツにどう対抗するのかが試されていた。しかし、試合開始と同時に雨足が強まると、ピッチはどんどんスリッピーになり、フィジカルの強いドイツに有利なコンディションになっていった。またしても力負けしてしまうのか。そう感じたのは、立ち上がりわずか7分で失点した直後だった。