【なでしこ】新リーダー候補、川澄奈穂美が考えるキャプテンシー

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

大分市で行なわれた合宿では最年長として全体を引っ張った川澄奈穂美(写真左)大分市で行なわれた合宿では最年長として全体を引っ張った川澄奈穂美(写真左) 2013年、次の世界大会出場へ向けて始動したなでしこジャパン。U-16、U-19、なでしこチャレンジ、なでしこジャパンと、すべてのカテゴリーが集結して行なわれた合同合宿で、現時点での取り組むべきテーマが示された。「新戦力の発掘」と「中堅選手の自立」。次の世界大会(2015年ワールドカップカナダ大会)までの2年で、なでしこジャパンが取り組まねばならない最重要課題であり、もっとも時間がかかる難題でもある。

 新戦力の発掘については1、2年じっくりと見極めていくことになるだろう。急務となるのはやはり、中堅世代が中心選手としての自覚を高めることだ。今回、佐々木監督は、澤穂希、宮間あやをはじめ、なでしこジャパンの「顔」とも言える選手たちの招集を控えた。

 この方針は3月のポルトガル遠征でも変わらないという。まだ"チーム"として構成されていない今の時期に、あえて中堅選手を中心に据えて実戦を積みながらリーダーシップをとれる選手を増やす狙いがある。

 それは強烈なリーダーシップを発揮する選手の見極めというよりは、チームを牽引する力の底上げといった方が適当かもしれない。フィールドプレイヤーで期待されるのはやはり川澄奈穂美だ。

 もちろんこれは話題性の問題ではない。経験、実力、年齢......。あらゆる面で下の年代と上の年代をつなぐ適任者が川澄だからだ。これまで川澄は高校、大学、そしてINAC神戸レオネッサでも、チームをまとめる立場を多々経験してきている。

 川澄のスタイルは、しいて言えば自然体。決してリーダーシップを前面に押し出してぐいぐい引っ張るタイプではない。そもそも世界一になった2011年のワールドカップドイツ大会で一躍脚光を浴びるも、当時の川澄は、なでしこジャパンの中で定位置を確保していたわけではなかった。

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